帰一倍一(読み)きいちばいいち

精選版 日本国語大辞典 「帰一倍一」の意味・読み・例文・類語

きいち‐ばいいち【帰一倍一】

〘名〙
珠算除数が二桁以上のときに使う九九。立てた商が大き過ぎるとき商から一を引き、被除数のところに除数の一つ分を加えるときの呼び声。
塵劫記(1627)上「見一無頭作九一・帰一(きいち)倍一(ばいいち)・一進の十 是れは十一より十九の上の半(は)に割る時入り申す也。又百の上の半も千の上の半に割る時も同前
② まさっていること。一倍。一層。ますます。副詞的にも用いられる。
浄瑠璃・蒲冠者藤戸合戦(1730)三「算用のしめくくりよき悪意地は、殺すに帰一倍一の粒のはじきぞ是非もなき」

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