常不軽（読み）ジョウフキョウ

デジタル大辞泉

じょうふきょう〔ジヤウフキヤウ〕【常不軽】

「法華経」常不軽菩薩ぼさつ品に出てくる菩薩。人はみな成仏するとして、会う人ごとに軽んずることなく礼拝したという。常不軽菩薩。
「法華経」常不軽菩薩品の中で、常不軽菩薩が説いた24字の語を唱え、人々を礼拝して巡り歩く修行。また、その人。不軽。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

じょう‐ふきょうジャウフキャウ【常不軽】

1. [ 一 ] 「法華経‐常不軽菩薩品」。または、その中の二四字の偈（我深敬_二汝等_一不_二敢驕慢_一所以者何汝等皆行_二菩薩道_一当_レ得_レ作_レ仏）。
   1. [初出の実例]「品は方便品薬王品常不軽六巻さらなり」(出典：前田本枕（１０Ｃ終）五五)
2. [ 二 ] 「法華経‐常不軽菩薩品」に出てくる菩薩の名。常に身に不軽の行をなし、口に不軽の教を宣(の)べ、人に逢うごとにいずれも仏になるべき人とみて、敬って軽慢せず、うやうやしくこれを礼拝したという。常不軽菩薩。
   1. [初出の実例]「さては思ひ給へえたること侍りて、常不軽をなむつかせ侍るなど申すに」(出典：源氏物語（1001‐14頃）総角)

ぞう‐ふきょうザウフキャウ【常不軽】

1. 〘 名詞 〙 ( 「ぞう」は「じょう」の直音表記 ) ＝じょうふきょう（常不軽）
   1. [初出の実例]「このさう不軽、そのわたりの里々、京までありきけるを」(出典：源氏物語（1001‐14頃）総角)

出典　精選版 日本国語大辞典