日本歴史地名大系 「常陸稽古録」の解説
常陸稽古録
ひたちけいころく
一〇巻・付録一巻 中山信名著
分類 地誌
原本 静嘉堂文庫
解説 常陸国生れの中山信名が、常陸国に関係する事跡を書きためておいたものを一書にまとめようとしたもの。文化一〇年の自序草稿には「常道稽古録」あるいは「常道編年」とある。一・二巻は引用書目、常陸国の建置沿革、各郡ごとの沿革、山川・社寺など、三・四巻は人物、五・六巻は常陸治乱記系図と題して常陸大掾、佐竹・小田などの各氏系図、七・八巻は常陸治乱記と題して諸氏興亡、九・一〇巻は雑記である。付録は浪逆浦・香取海・鹿島宮など鹿島地方の名所を描いた彩色図一九葉を収める。これは静嘉堂文庫蔵の中山信名遺稿「常陸名所之記」中の図と同一のものであり、「常陸名所之記」の図が素描であるのに対し、より完成した体裁をもつ。本巻一〇巻は、未整理でメモ的要素が強く、信名の著「常陸編年」「新編常陸国誌」のもとになったものと思われる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報