浪逆浦（読み）なさかうら

日本歴史地名大系

浪逆浦
なさかうら

• 茨城県：行方郡
• 潮来町
• 浪逆浦

北浦と霞ヶ浦の流水の合流地の呼称。浪逆の名は「万葉集」巻一四に

＜資料は省略されています＞

とあり、また「堀川院百首」に

＜資料は省略されています＞

と歌われている。鎌倉時代の「万葉集」の校訂者仙覚は「常陸国ニナサカノ海ト云ハ、イツクニアルソト年比アマタノ人ニ尋ヌルトモ、スヘテ知タル人ナシ、名ヲタニモキカストナム申ス。サレハ力及ハヌニヨリテ、コレヲ案スルニ、常陸ノ鹿島ノ崎ト、下総ノウナカミトノアハヒヨリ、遠ク入タル海アリ。末ハフタ流レナリ。風土記ニハ、コレヲ流海トカケリ。今ノ人ハウチノ海トナン申ス。其海ヒト流レハ、北鹿島郡南行方郡トノナカニ入レリ。ヒト流レハ、北行方郡ト南下総国ノ堺ヲヘテ、信太郡、茨城郡マテニイレリ。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

浪逆浦
なさかうら

茨城県南東部，北浦の南で北利根川に連なる水域一帯をいう。内浪逆浦，外浪逆浦に2分され，このうち内浪逆浦は干拓されて水田地帯や住宅地となった。外浪逆浦ではボラ，シジミがとれ，水郷筑波国定公園に属する。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典