素描(読み)ソビョウ(その他表記)disegno[イタリア]
dessin[フランス]
Zeichnung[ドイツ]
drawing

デジタル大辞泉 「素描」の意味・読み・例文・類語

そ‐びょう〔‐ベウ〕【素描】

[名](スル)
黒・セピアなどの単色の線で物の形象を表し、また陰影をつけた絵。絵画の習作や下絵として描かれるが、完成品としても鑑賞される。デッサン。「静物を素描する」
要点を簡単にまとめて書くこと。また、その文章。「歳末の庶民生活を素描する」「文壇素描
[類語]スケッチクロッキーデッサン下絵絵図絵画図画図絵イラストイラストレーションカットえが象る染まる染める描写写生模写点描線描寸描

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精選版 日本国語大辞典 「素描」の意味・読み・例文・類語

そ‐びょう‥ベウ【素描】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 木炭、鉛筆、筆、ペンなどを用い、黒、セピアなどの単色の線で対象をあらく描くこと。また、その画法やその画法で描かれた絵。油彩画などの習作として描かれたものをさす場合もある。すがき。デッサン。〔和漢大辞典(1919)〕
  3. ( から ) ある物事について簡潔に文章に描くこと。また、その手法やその手法で書かれた文章。
    1. [初出の実例]「巧みに二人の生活と性格とを素描してゐる」(出典:俳句の世界(1954)〈山本健吉〉五)

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改訂新版 世界大百科事典 「素描」の意味・わかりやすい解説

素描 (そびょう)
disegno[イタリア]
dessin[フランス]
Zeichnung[ドイツ]
drawing

デッサン。多彩色による完成された作品である〈絵画〉もしくは〈タブロー〉と区別して,一般に単色で描かれた線描を主とする試作的描画のことをいう。素描はその目的により大別して次のような種類に分けられる。

(1)スケッチsketch フランス語でクロッキーcroquisという。実在の対象を簡略に写生したもの,あるいは対象なしに自由な発想をすばやく描きとどめたものを指す。これは即興性と速写生を特質とする,簡単な素材による素描の総称であり,ルネサンス(16世紀)においては芸術的発想の第一段階としてもっとも重要視された。

(2)習作study フランス語でエチュードétudeまたはエスキスesquisseという。スケッチと対照的に,ある対象を入念に観察し,研究するための素描をさす。これには2種類あり,初歩の練習用としての写生と,タブローなどの制作の準備段階として,個々の事物を個別的に描く場合とがある。

(3)下絵(カルトン) タブローなどの制作の準備の最終段階として,彩色する寸前の状態にまで完全に作られた構図のことをいう。これにも2種類あり,布や壁面にそのまま転写される原寸大のものと,寸法が異なっているがすでに完成図となっているものとがある。イタリアでは後者をモデロmodelloと呼ぶこともある。また,下絵ではあるが,完璧ではなく,おおよその案が示された略図的下絵を,イタリア語でボツェットbozzettoともいう。このうち,転写用の原寸大の下絵は,使用後破損する場合が多く,残存することが少ない。現存例では,ラファエロの《アテネの学堂》が名高い。また構成案のための下絵には,レオナルド・ダ・ビンチの《聖アンナと聖母子》のように,タブローに等しい価値を有し,後世に大きな影響を与えた例もある。

(4)シーミレsimile(イタリア語) イタリアの初期ルネサンス期にのみ行われた素描で,〈類型〉の意味をもつ用語。伝統的な図像や,主題のディテールや構成の類型を描いた素描で,工房に伝えられ,制作の範例とされた。

 これらのほか,黒灰の濃淡,すなわち灰色系のモノクロームによる明暗法のみによって描くグリザイユgrisaille(フランス語),灰色にかぎらず,単色の濃淡のみでイリュージョンスティックな表現を行うカマイユなどがあるが,それらは単彩であっても独立作品として意図されたもので,厳密には素描とは呼びがたい。ペン画,鉄筆画,鉛筆淡彩画などでも,発想の当初から独立した作品として意図されたものは,素描の素材を用いた単彩であっても,素描とは呼びがたい。素描とはあくまでも制作画の対立概念であり,発想から完成にいたる過程に属するものである。これを完成作品の予備段階として芸術的に劣ったものとみるか,あるいは芸術家の精神により直接的にかかわるものとして重要視するかは,時代により個人によって多様である。

西欧ルネサンス期には,とくに素描の意義が重要視され,チェンニーニは,〈芸術の基本はディセーニョ(素描)と色彩にある〉と述べ,ギベルティは,〈素描は絵画と彫刻の基礎であり,理論である〉と述べ,L.B.アルベルティは,絵画の三要素は〈輪郭,構図,彩光(明暗)〉であるとし,この三要素のうちもっとも基本的なことは,〈空間と物体の境界〉としての〈線〉であるとした。これら初期ルネサンスの素描論の骨子は,空間と物体の明晰な認識とその表現の手段として,線による明確な輪郭づけが基本であるという考えである。ここには,物体と空間が幾何学的に把握しうるという理念があり,それが西欧古典主義の本質となった。ピエロ・デラ・フランチェスカはその最大の代表者である。17世紀のプッサン,19世紀のアングルなど同様の理念をもつ芸術家はみな,作画の基礎を線による素描においている。

 このような伝統的な素描観を変革したのはレオナルド・ダ・ビンチである。彼は,一面では伝統の継承者であり,自然の事物を正確に素描することによって,事物の本質にひそむ法則や原理を探究した。これは植物や自然現象の精密な素描,人体解剖図にみることができる。しかし,他方レオナルド・ダ・ビンチは,タブローの下絵や習作,自由なスケッチにおいては,陰影と明暗の精妙な表現を重視し,線よりは現象的な光の把握に重点をおいた。〈もっとも研究すべきものは,輪郭ではなく,陰影である〉(ウルビノ稿本1270,f.133r)。このように,レオナルド・ダ・ビンチは,空間の中の物体をとらえるものは線ではなく,明暗の現象であることを主張するとともに,陰影の中に,目に見えざるもの(精神)が喚起されるという考えを述べている。

 ミケランジェロは初期においては,フィレンツェ派の伝統的な線とハッチング(線影)による素描を試みていたが,後期には明確な線をもたない喚起力に富んだ明暗様式の素描に移行した。彼は鉛筆による素描をよしとしたが,それは,〈詩〉を描く素材と同一であるところから,芸術が技術的作物ではなく,精神から直接法のようにあふれる霊感によるものだという思想から出ている。このようにして彼は写実から出発したが,主観的表現こそ芸術の本質であるという理念をその作品と言説によって表明し,16世紀における芸術観の変革を行った。〈目の中にコンパスがある〉というミケランジェロの言説は,計測と写生の伝統的美学を否定したもので,これ以降,伝統的素描論と素描とは主観の表現にほかならないとする革新的素描論は論争をひき起こした。このうち,ドーニAnton Francesco Doni(1513-74)は,〈ディセニャーレdisegnare〉を必ずしも描くということにかぎらず,なんらかの着想を思いつくことをすでに〈ディセーニョ〉であると述べている(1547)。ディセーニョを自然模倣の手段としてではなく,思想の行為としたミケランジェロの考えを書き表した最初の理論家は,おそらくアカデミア・フィオレンティーナ院長バルキBenedetto Varchi(1502-65)であろう。彼は素描は〈絵画および彫刻の目的,すなわち自然の巧みなる模倣であるばかりでなく,それらの原理であり,始源である〉と述べ,さらにバザーリは《芸術家列伝》で,〈絵画,彫刻,建築の共通の父はディセーニョである〉と述べ,再現芸術のみならず,建築などの非再現芸術を含む造形の基礎に〈ディセーニョ〉を置いた。彼は,〈ディセーニョ〉とは〈知性にみちびかれて,多くの事物から一つの普遍的判断力をひき出す,いわば自然のすべての事物から,ある形式またはある観念をとり出す〉ものであり,かつ〈人が魂の中にもっている思想の外在化,明確化にほかならず,精神の中で想像され,イデアの中で作られたもの〉であると定義している。定義の前半はチェンニーニの伝統を継いでいるが,後半はミケランジェロの考えを示している。このようにバザーリは,彼以前の素描論の総合を試みたばかりでなく,コジモ・デ・メディチのもとに1563年彼自身創設した最初の美術アカデミーは〈アカデミア・デル・ディセーニョ〉と呼ばれるにいたった。このような素描論の極限の例は,ローマの〈アカデミア・ディ・サン・ルカ〉院長フェデリコ・ツッカリである。彼は〈ディセーニョ〉を〈セーニョ・ディ・ディオsegno di Dio〉,すなわち〈神の表象〉と解釈し,外在する事物を写す素描を〈外のディセーニョ〉,神から下る霊感を〈内のディセーニョ〉として,真の芸術家は後者によって造形するものであると述べた。ここで素描はついに,自然模倣と対立する主観的構想を本義とするという主張が出されることになり,素描の地位は最高のものとなった。

 一方,16世紀の半ば,この素描を基本とする線および彫刻と,色および絵画とのいずれがすぐれているかという〈絵画・彫刻優劣論争(パラゴーネparagone)〉が起こり,中部イタリアはミケランジェロを,北イタリアはティツィアーノを立てて論争した。これは,合理的視覚から,情念の表現または視覚的リアリズムの近代的芸術観に移行する現象の一つであった。実際に,17世紀に入るとともに,その代表的な画家(ルーベンスレンブラント),彫刻家(ベルニーニ)らの制作において,素描はその制作のプロセスにとどまり,しかも,それは明確を基調とするものへと変わった。

 18,19世紀を通じて,この対立は古典主義的傾向が起こる際にくりかえされたが,最終的には印象派のように素描をいっさい用いない芸術によって,自然模倣の手段としての素描の価値は失われたということができる。20世紀には,ピカソが素描の再興者であるが,それは自然模倣の手段としてではなく,自己表現の有効な方法としてであった。こののち,一般に芸術家は自己の思想の直截的表現の媒体として,簡素な手法である素材を求める傾向が強く,素描は自己表現のもっとも有効な手法として,予備段階的な制約を超え,独立した価値を主張するようになったといえよう。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「素描」の意味・わかりやすい解説

素描
そびょう

美術用語。英語のドローイングdrawing、フランス語のデッサンdessinにあたる。両者の動詞形draw, dessinerは、いずれも「線を引く、線描する」の意であり、したがって素描の概念としては、なんらかの線的な方法で表現する芸術、およびその作品とするのが妥当であろう。素描は発生的には、人間の芸術的活動が始まった氷河時代の洞窟(どうくつ)絵画にみられる。岩であれ、石や土の壁であれ、あるいは地面であれ、そこに描きあるいは線刻する手段さえあれば素描は可能なはずであり、実際にそのようにして生まれ、消えていった素描が無数にあったはずである。

 古代エジプト人がパピルス紙を発明し、それに葦(あし)のペンで文字や絵を描き始めたのは、素描芸術の歴史のうえで画期的なできごとであった。以来、素描の方法には数々の発明、発見、改良が加えられたが、ヨーロッパにおける14世紀末から15世紀にかけての紙の普及は、素描芸術の成立と隆盛をもたらした。絵画との関連において考えた場合、素描は下絵や習作として、芸術的には従属的な役割をなすものであった。

 ルネサンス期以後は、素描をそれ自体独立した完成作として描いた画家は少なくない。レオナルド・ダ・ビンチ、ラファエッロ、ミケランジェロらの素描作品は、ヨーロッパ素描芸術の一つの頂点を築いている。また、北方ルネサンスの画家たちのなかでは、デューラーがとりわけ素描や版画などの線描芸術を愛し、多くの優れた作品を残している。17世紀では、オランダのレンブラント、フランドルのルーベンスがバロック芸術の精神を素描にも反映させたが、イタリアに学んだフランスの画家クロード・ロランの風景素描の連作も名高い。フランスの宮廷を中心に展開したロココ芸術では、とくにパステルサンギーヌ、コンテによる優美な素描が好まれ、ワトー、ブーシェ、フラゴナールらに、これらの素材の特質を生かした素描が多い。

 19世紀前半のフランスでは、アングルの古典主義とドラクロアのロマン主義が対照的な芸術の展開をみせたが、素描においても前者の石墨による硬質な線を生かした素描と、後者の闊達(かったつ)自在な線のそれは好対照をなしている。印象派およびその時代の画家たちにもそれぞれ個性的な素描があるが、とりわけマネ、ドガ、ルノワール、ロートレックの名があげられる。これに続く後期印象派では、スーラの黒白対比のみごとな木炭素描、ゴッホの力強いペンの素描、セザンヌの構築的な素描がとくに際だっている。また、ロダン、ブールデル、マイヨールら彫刻家の素描の多くは、彫刻のための習作的な意義を超え、画家の素描とは趣(おもむき)の異なった魅力をたたえている。20世紀では、絵画におけると同様、マチスとピカソの天分が素描においても際だっている。

 東洋における墨絵の鉤勒(こうろく)描法(線的描法)、没骨(もっこつ)描法(明暗による描法)、あるいは肉筆浮世絵の単色のものなども概念的には素描と考えられるが、一般には中国絵画、日本絵画のなかで扱われ、素描として独立に取り上げられることはない。日本では明治以降、西洋絵画の流入に伴い、素描が盛んに行われるようになった。

 中世末期からルネサンス初期にかけて愛用された素描画材は、金属尖筆(せんぴつ)(銀、金、銅、鉛、錫(すず)、あるいは真鍮(しんちゅう)、ブロンズなどの合金)、とくに銀筆である。これは、金属の棒状のものをとがらしたもの、あるいはその小片を柄(え)の先につけたもので、硬くて紙に直接描くことはできないので、鳥獣の骨を焼いて磨(す)りつぶしたものに膠(にかわ)を混ぜて紙に塗って下地をつくった。硬質で肥痩(ひそう)はほとんどなく、やや灰色がかった線が得られる。レオナルドやミケランジェロらの素描は、ほとんどペンかチョークで描かれている。ペンは葦ペンがもっとも古いが、7世紀ごろから鳥の羽軸、とくに鵞鳥(がちょう)の羽軸を用いた鵞ペンが好まれ、18世紀に金属ペンができるまではこれがペンの代表であった。ペンにつけるインキは、墨、鉄没食子(もっしょくし)インキ、ビスタ・インキ、セピア・インキなどである。

 チョークは天然のものと加工したものがあり、天然チョークは顔料と粘土がほどよく混合した状態のものを切り出して用い、顔料の成分により黒、赤、白などの色が得られる。人工チョークは良質の天然チョークの不足から生まれたもので、顔料に水溶性のつなぎ剤を加えて成形する。このうち、天然チョークに近い硬さのものを粘りチョーク、粉っぽくややもろいものをパステルとよぶ。パステルは16世紀の初めごろにはすでに登場している。コンテは粘りチョークから派生したもので、19世紀フランスのニコラ・ジャック・コンテNicolas-Jacques Conté(1755―1805)の考案による。鉛筆も18世紀の末にコンテによって発明されたもので、それ以前は天然の石墨が用いられた。素描用の木炭は柳やブドウの小枝を蒸し焼きにしてつくったもので、15世紀後半ごろから頻繁に使用されるようになった。

[八重樫春樹]

『F・J・S・カントン監修『世界素描全集』全11巻(1978・講談社)』

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百科事典マイペディア 「素描」の意味・わかりやすい解説

素描【そびょう】

フランス語ではデッサンdessin,英語ではドローイングdrawingという。木炭,鉛筆,ペン,コンテなどを用い,主として線で描くこと,あるいは描いたものをいう。表現技術の訓練や彩画の下絵を目的とするが,独立した作品として描かれることも多い。タブローの対。
→関連項目エスキスクロッキーコンテ

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普及版 字通 「素描」の読み・字形・画数・意味

【素描】そびよう

画のしたがき。

字通「素」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「素描」の意味・わかりやすい解説

素描
そびょう

「デッサン」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の素描の言及

【アカデミー】より

… このような性格を部分的にせよ備えた本格的なアカデミーの最初の例は,バザーリの構想に基づき,トスカナ大公コジモ・デ・メディチとミケランジェロを総裁として,1563年フィレンツェに設立されたアカデミア・デル・ディセーニョAccademia del Disegnoである。これは,それまで各ギルドに分散していた建築家,彫刻家,画家が,〈ディセーニョdisegno(素描)〉を共通の基盤とする造形芸術の3分野の担い手であるという自覚のもとに集まった団体で,職能組合的性格をもったギルドの拘束からの芸術家の解放やその社会的地位の確立に貢献した。ついでローマにおいても画家F.ツッカリの指導下に93年,アカデミア・ディ・サン・ルカが設立された。…

【絵画】より

…また水彩は,やはり水に溶いた不透明性の画材であるグアッシュとともに,デッサンの彩色にも用いられる。デッサン(素描)は,銀筆,木炭,チョーク,ペン,鉛筆,コンテ等を用いて,対象把握の訓練や,モティーフの決定,構図の発想などに重要な役割を果たす。とくに17世紀にアカデミーの制度が確立してからは,絵画の基礎として重視された。…

【明暗法】より

… アルベルティは《絵画論》の中で,光(明)は白,影(暗)は黒で表され,もっともすぐれた画家は白と黒で現実感を出せると述べ,古代ギリシアのニキアスとゼウクシスをその創始者とした。ここから,今日に至るまでアカデミズムの中心思想の中に,明暗のみによる素描を絵画の骨格とする理論が残った。〈キアロスクーロ〉なる用語は,1681年イタリアの美術史家バルディヌッチFilippo Baldinucci(1624‐96)が単彩のグリザイユに与えた名称とされる。…

【モデル】より

…キリスト教的かつ観念的な中世美術においては,裸体はもちろん着衣でも,モデルに拠る制作は行われなかった。ルネサンスに再びモデルが使用されるようになったことは,完成作の写実性のみならず,特にイタリアに多いポーズするモデルの写生素描に明らかであるが,女性像のための習作でもモデルは男性である。工房に働く多数の若い徒弟を写生するのが簡便で風紀上も問題が少なかったためばかりでなく,男性の肉体の方が女性に比べより完全であるという理念的根拠もその背景にあった。…

※「素描」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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