干だら(読み)ひだら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「干だら」の意味・わかりやすい解説

干だら
ひだら

マダラや大形のスケトウダラ干物。棒だら、開きだらなどがある。掛けだらは棒だらと同じものである。棒だらは主としてマダラを使った素干し。頭と内臓を除いたのち、三枚におろして背骨を除くが、尾の部分は互いにつながるように切り残す。これを丸太の桟にかけ乾燥する。干し上がるまで約1か月を要する。開きだらには無頭と有頭がある。無頭開きだらは頭、内臓を除き、背開きまたは腹開きしたものを水洗(すいせん)後、3~4日塩蔵、水洗いして乾燥する。約15日で干し上がる。有頭開きだらは頭を残したもので製法は無頭とほとんど同じである。干だらは干し上がるまで日数がかかるので、冬期寒冷地でのみつくられる。日本では釧路(くしろ)、根室宗谷など北海道でつくる。軽くあぶってむしって食べたり、茶漬けにする。また、もどしてしょうゆで煮る。京名物の芋棒(いもぼう)は干だらとエビイモの旨煮(うまに)。

[金田尚志]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の干だらの言及

【タラ(鱈)】より

…鱈というのは,雪が降る季節になってとれる魚という意味の和製漢字で,雪魚と書くこともあり,女房言葉の〈ゆき〉というのもそれによるものである。いまは生ダラや塩ダラが切身として出回り,ほかに塩干品の干(ひ)ダラや素干しの棒ダラがあるが,とうぜんながら,昔は産地以外で生ダラを入手することはできなかった。《本朝食鑑》が一塩(ひとしお)のものを最上としたゆえんである。…

※「干だら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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