平土野湊(読み)へとのみなと

日本歴史地名大系 「平土野湊」の解説

平土野湊
へとのみなと

[現在地名]天城町平土野

近世、阿布木名あぶきな村にあった湊。正保琉球国絵図に記載はない。徳之島西岸の有力な湊の湾屋わにや湊に近接しながら、平土野は港津の機能をもち、享和三年(一八〇三)西目にしめ間切の湾屋湊を通過したオランダ船が「平土野浦」に向かい、乗組員(すべて八四人)の広東人と徳之島の通事与人の兼久かねく村の劉献が応答、本琉球に向かったという。天保一二年(一八四一)阿布木名村の「平土野湊」が一ヵ年に限って大船が入港する居船場に指定されることになり、砂糖一四万斤を積入れたところ、ほかの湊より便宜がよく、兼久の砂糖すべてを積出すことになり、船二艘ずつの居船場となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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