化学辞典 第2版 「平均二乗鎖長」の解説
平均二乗鎖長
ヘイキンニジョウサチョウ
mean square chain length
鎖状高分子の両末端間Rの距離の二次モーメントで,平均二乗両端間距離(mean square end-to-end distance)〈 R2〉ともいう.この量〈 R2〉はセグメントの数をnとすれば,ガウス鎖ではnに,伸びきった分子では n2 に,排除体積効果を考慮に入れると nα(α > 1)にそれぞれ比例する.このため,分子の形態を記述するパラメーターとして重要である.これと似た量として慣性半径がある.実験的には慣性半径のほうが求めやすいが,理論的には平均二乗鎖長のほうが議論しやすいため,高分子溶液論で広く用いられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報