年輪年代測定法

共同通信ニュース用語解説 「年輪年代測定法」の解説

年輪年代測定法

米国で20世紀に始まった年代測定法。各年の気候条件によって成長幅が異なる年輪性質を利用。樹木の年輪は外側が最新で、最も外側が残っていれば、年代判定の物差しとなる「暦年標準パターン」と照合し、伐採された年を特定できる。暦年標準パターンは現代から徐々にさかのぼる方法で作成され、現在では過去3千年分が完成している。日本では1980年から奈良国立文化財研究所(当時)で導入された。96年には大阪府の池上曽根いけがみそね遺跡で出土した柱が紀元前52年の伐採と発表され、弥生時代中期を想定よりも約100年さかのぼらせる成果として注目を集めた。

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知恵蔵 「年輪年代測定法」の解説

年輪年代測定法

気象の変化に伴い、幅が広くなったり狭いままで経過する樹木の年輪成長の変化の仕方を利用する測定法。樹種による変化パターンは地域差が少なく、伐採年が明確なものを基準に、その「物差し」をつくり上げることができる。20世紀初めに米国で開発され、日本では1979年から奈良文化財研究所が取り組んでいる。例えばスギでは紀元前1313年までの「物差し」ができている。大阪府の池上曽根遺跡神殿のような大型建物のヒノキ柱から、紀元前52年の伐採が判明土器による近畿地方のそれまでの弥生時代の年代観が、100年前後繰り上がった。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)

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