幸下之町・幸井上之町(読み)さいわいしものちよう・さいわいかみのちよう

日本歴史地名大系 「幸下之町・幸井上之町」の解説

幸下之町・幸井上之町
さいわいしものちよう・さいわいかみのちよう

[現在地名]奈良市紀寺きでら

地蔵じぞう町の東に所在。「奈良曝」に「幸下町 紀寺組。がんぎ町のひかし町」「幸ノ上町 紀寺組。幸の下町のひかし町」とある。「春日社記録」中臣祐賢記の弘安三年(一二八〇)五月六日条に「恒例郷民小五月若宮ヘ参天遊、次第、今朝雨降之間、自午時参、先幸郷」とみえ、鎌倉期には一つの郷で、小五月こさつき郷に属した。「大乗院雑事記」長禄四年(一四六〇)閏九月二六日条にみえる正長元年(一四二八)の「領内間別銭事」に「幸三十間半」とみえ、長禄元年一二月一三日条に幸郷は竜花院りゆうげいん郷の内とあり、寛正四年(一四六三)一二月三日条には興福寺大乗院門跡領とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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