広東貿易(読み)カントンぼうえき(その他表記)Guang-tong; Kuang-tung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「広東貿易」の意味・わかりやすい解説

広東貿易
カントンぼうえき
Guang-tong; Kuang-tung

中国,清代における広州の海外貿易をいう。広州は古来南海貿易の中心地として知られ,唐・宋・元・明代には貿易管理のために市舶司がおかれていた。ヨーロッパ人の東洋進出を契機に嘉靖 36 (1557) 年頃からポルトガル人によるマカオ貿易が開かれたが,康煕 24 (1685) 年清朝の海禁が解かれて海外貿易が許され,粤海関 (えっかいかん) が広州に設けられると次第にこれに取って代り,乾隆 22 (1757) 年広州1港に限定されてからは中国唯一の貿易港となった。イギリスの東インド会社船を中心に西洋諸国の船舶が多数来航し,中国輸出品の茶,絹などの見返りに多量の外国銀が流入し,盛況を呈した。しかしアヘン戦争後,5港の開放により広東貿易の時代は終りを告げた。

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世界大百科事典(旧版)内の広東貿易の言及

【粤海関】より

…中国の清代,広州におかれた海関。海関には常関(旧関)と洋関(新関)とがあり,アヘン戦争以後おかれた洋関もまた粤海関であるが,ふつうはそれ以前の常関をさす。1685年(康熙24),海禁の解除により設置され,中国人の沿海貿易と外国人の朝貢貿易を管轄し,海関税を徴収した。外国人からホッポーhoppoとよばれる長官の海関監督は,満人が任命され,役得の多い職であった。その後関税徴収は公行とよばれる特許貿易商が代行し,1720年から外国貿易は広州1港に制限されて,いわゆる広東Canton貿易がはじまる。…

※「広東貿易」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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