改訂新版 世界大百科事典 「座席利用率」の意味・わかりやすい解説
座席利用率 (ざせきりようりつ)
load factor
航空機に搭乗した旅客数を座席数で割ったもので,人数ベースによる。同様のことを鉄道では乗車効率,海運では客席利用率という。500席の航空機に250人乗れば,1便当りの座席利用率は50%となる。なおこの旅客のうち,有償で搭乗した旅客数に飛行距離を乗じた〈有償旅客キロメートル〉を,有効座席数に飛行距離を乗じた〈有効座席キロ〉で割ったものをキロベースによる座席利用率という。座席利用率は重要な経営指標である損益分岐利用率と密接な関係をもっており,座席利用率が損益分岐利用率を上回れば,利益をもたらすとされている。しかし需要があり座席利用率は高くても,搭乗旅客の中に低運賃の旅客が多ければ損益分岐利用率も上がり利益に結びつかぬなど,複雑な要素がからんでいる。
執筆者:津崎 武司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報