座敷持(読み)ざしきもち

精選版 日本国語大辞典 「座敷持」の意味・読み・例文・類語

ざしき‐もち【座敷持】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一座の興をうまくとりもつこと。また、その人。座持ち。
    1. [初出の実例]「さはる所かきき医者の山〈大鶴〉 酒の滝絶すとふたり座敷もち〈木因〉」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第一)
  3. ( 専用の座敷を持つところから ) 江戸中期以後、遊里などで遊女格付の一つ。部屋持ちの上位で、床の間つきの座敷と、次の間を占有した。
    1. [初出の実例]「能き客の付く時は、すぐに女良意(にょらい)と成て部屋持座敷持(ざしきもち)の興主(けうしゅ)となる」(出典談義本・当世花街談義(1754)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の座敷持の言及

【花魁】より

…語源とともに使用の起源も明確でなく,元禄(1688‐1704)以前の用例が挙げられているが,一般化したのは1760年代の宝暦・明和ごろのようで,これは最高妓とされた太夫が吉原で消滅した時期と一致する。太夫の格をつぐ遊女は散茶(さんちや)であったが,散茶は呼出し,座敷持ちなどの階級に分かれていたため,散茶の上級妓を花魁と称して区別したのであろうか。洒落本《魂胆惣勘定》(1754)に〈おいらがとこ〉の里ことばが紹介されたように,そのころ流行した洒落本によって花魁という別称が普及したことは疑いない。…

※「座敷持」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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