デジタル大辞泉
「一座」の意味・読み・例文・類語
いち‐ざ【一座】
[名](スル)
1 同じ席・場所に座ること。また、それらの人。同席。「祝いの宴に一座する」
2 同席の者全部。満座。「一座の爆笑を買う」
3 芸能・歌舞伎など興行者の一団体。「一座の花形」
4 説法・講演などの一席。「一座の法養」
5 連歌・俳諧を行う集まりの一席。また、その席で詠んだ作品一巻。
6 神社の、一社。
7 仏像などの、一体。「阿弥陀一座」
8 第一の上席。最上の席。首席。また、その席に着くこと。
「―より次第に鉢を飛ばせて、物を受く」〈宇治拾遺・一三〉
[類語]満場・満座・全会
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いち‐ざ【一座】
- 〘 名詞 〙
- ① ( ━する ) 第一の座席につくこと。また、その座席。かみ座。上席。首席。
- [初出の実例]「摂政左大臣道家。〈略〉同廿六日為二藤氏長者一。兵仗、勅授、一座、牛車等任レ例宣下」(出典:愚管抄(1220)二)
- ② ( ━する ) 同じ座席、場所にすわっていること。同席。同座。
- [初出の実例]「同情乍会頻回レ首、一座相看共解レ頤」(出典:田氏家集(892頃)中・残春宴集)
- 「一座いたしたいとたくしかくれば」(出典:浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)上)
- ③ 同じ座席にいる全体の人。満座。
- [初出の実例]「言語道断奇特かなとて一坐尽驚たぞ」(出典:史記抄(1477)九)
- ④ 多数の人がある目的で一箇所に集まる会合。
- (イ) 宴会など座敷で催す会合。一席。
- [初出の実例]「ただ一ざの一興にまけ申て、おもしろし」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)
- (ロ) ただ一回の修法のこと。一座行法ともいい、ただ一度の修法に、普門あるいは一尊の供養法を修することをいう。
- [初出の実例]「多劫の修行をふることなく、一座に五仏の正覚をとなふ」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
- (ハ) 僧侶などの一回の説法や講演。一席。
- [初出の実例]「説経などもせぬ僧なれども、〈略〉『一座の供養し給ひなんや』と、いはせければ」(出典:梵舜本沙石集(1283)六)
- (ニ) 会席を設け、数人で連歌、俳諧を興行すること。また、そこでできあがった作品。
- [初出の実例]「一座を張行(ちょうぎょう)せんと思はば、まづ時分を選び」(出典:連理秘抄(1349))
- ⑤ 神社の数え方。一社。
- [初出の実例]「広瀬郡五座 大一座小四座」(出典:延喜式(927)九)
- ⑥ 仏像などの一体。一基。
- ⑦ 一つの興行を共に行なっている能役者、歌舞伎役者などの俳優や芸人の一団体。
- [初出の実例]「能に嵩も出で来、垢も落ちて、いよいよ名望も一ざも繁昌する時は」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)六)
- ⑧ 宴会の雰囲気やそのとりもちをいう近世の遊里語。座興。座配。
- [初出の実例]「初而(はじめて)の出合には、なを一座(ザ)をかため」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)七)
- ⑨ 大坂堀江の本茶屋へ出入りする上級女郎を二等級に分けた下等の方の女郎。
- [初出の実例]「本茶屋といふ名目ありて、此宿へ徘徊する女郎を上品とし〈略〉上品といへども一座二座のわかちありて」(出典:洒落本・浪花色八卦(1757)宝結卦)
- ⑩ 茶屋女への祝儀、花代の数え方。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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「一座」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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