廃熱利用システム(読み)はいねつりようシステム(英語表記)system of waste heat utilization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「廃熱利用システム」の意味・わかりやすい解説

廃熱利用システム
はいねつりようシステム
system of waste heat utilization

各種産業施設からの廃熱を,発電冷暖房給湯加熱乾燥などに有効利用するためのさまざまなシステムの総称。製造業における廃熱利用システムは,それぞれの事業所内あるいはその周辺の利用先の状況に応じて,多種多様なものが工夫されている。廃熱ボイラにより蒸気を得てタービン発電機を駆動する廃熱利用発電は,その一つである。そのほか原料の予熱あるいは製品の乾燥等に,回収した熱が使用される例は多い。一方,量的に多いのは,大規模発電所からの低温の排水である。日本では,通常遠隔地に建設されるため,魚類養殖等に一部利用されているものの,入力エネルギーの約6割が利用されずに捨てられている。ヨーロッパでは,発電所の熱を地域暖房に利用している例が多い。コジェネレーションシステムも廃熱利用システムの一つといえる。そのほか都市における廃熱利用,たとえば地下鉄駅構内の廃熱を利用し,周辺地域の冷暖房を行なうシステムもある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android