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乾燥 かんそうdrying; desiccation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

乾燥
かんそう
drying; desiccation

蒸発により不要の液体分を除くこと。原理的に次のように分けられる。(1) 自然乾燥 最も簡易。洗濯物などに行なわれる。食品工業(麺類,海産物など)でも行なわれるが,場所と手数を要する。多くは通風乾燥で,戸外では太陽光による乾燥効果も加わる。(2) 加熱乾燥 最も一般的。火熱,電熱,赤外線投射などによる。赤外線乾燥は塗料の乾燥にもよい。(3) 吸水剤乾燥 シリカゲル塩化カルシウム,活性アルミナなどの吸水性物質(乾燥剤)を目的物と同じ容器に密閉して乾燥する。シリカゲルは毒性がないので食品や薬品の乾燥防湿剤によく使われ,化学実験のデシケータ(→乾燥器)では塩化カルシウム,濃硫酸が多く使われる。(4) 気流乾燥 高温の高速気流中に目的物を装入し,運搬と乾燥の目的が同時に達せられる。穀類などに行なわれる。(5) 減圧乾燥 容器内の気圧を若干下げて水分の蒸発をゆっくり促す。容積変化が急激でなく,木材などに行なわれる。(6) 真空乾燥 高真空容器に目的物を入れると,水分の急激な蒸発と断熱膨張により温度が下がり,凍結して乾燥が進む。加熱できない食品,薬品,血漿などに用いる。あらかじめ-40℃程度で急速凍結し,次に真空状態にして氷を蒸発脱水させて行なう乾燥はフリーズドライ(→凍結乾燥)と呼ばれる。(7) 高周波乾燥 高周波電磁場内に目的物を置くと,良導体の水分だけが渦電流効果で高温になり蒸発する。内部まで均等に加熱されるので,狂いを嫌う木材などに利用する。電子レンジはこの応用で,誘電体(不良導体)の皿などは熱くならない。(8) 冷房乾燥 空気温度を露点以下に下げて除湿し,乾燥気流として目的物を風乾する。食品などに行なわれる。(9) 氷温乾燥 食品などの細胞を凍らせないマイナス温度領域で乾燥させる。(10) 噴霧乾燥 液体をノズルから噴出し,同時に熱気流で風乾する。粉末ミルク製造などに用いられる。ほかに純粋液体(硫酸,アルコールなど)をつくるための水分除去など,特殊な乾燥法がある。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐そう〔‐サウ〕【乾燥】

[名](スル)
かわくこと。湿気や水分がなくなること。「空気が乾燥する」「乾燥地」
かわかすこと。「洗濯物を乾燥する」
[名・形動]味わいやおもしろみのないこと。また、そのさま。「無味乾燥
「武士道という―で不自然な道徳」〈有島・宣言〉

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百科事典マイペディアの解説

乾燥【かんそう】

物質に含まれる水分を加熱などにより蒸発させて除いたり減少させること。周囲の温度が高く,湿度が低く,風速が大きいほど乾燥が早い。通風のよい所に直射日光を避けて放置する風乾,加熱空気中で行う空気浴乾燥,密閉容器(デシケーターなど)中で乾燥剤を用いる方法などがある。
→関連項目脱水

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栄養・生化学辞典の解説

乾燥

 脱水ともいう.食品などから水分や湿気をなくすこと.

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世界大百科事典 第2版の解説

かんそう【乾燥 drying】

水分を含む材料に外部から熱を与えて材料中の水分を蒸発させ固形乾燥製品を得る操作。化学工学単位操作の一つである。湿り固体材料のほかに液状,ペースト状材料がその対象となる。
【乾燥の機構】
 無水材料(まったく水分を含まぬ状態の材料)1kg当りこれに含有される水分量(kg)でもって湿り材料中の水分の大小を表し,これを乾量基準含水率w(kg‐水/kg‐無水材料)という。湿り材料1kg中に含まれる水分量(kg)で示す湿量基準水分ww(kg‐水/kg‐湿り材料)も用いられるが,工学計算には前者が便利である。

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大辞林 第三版の解説

かんそう【乾燥】

( 名 ) スル
湿気や水分がなくなること。かわくこと。また、かわかすこと。 「空気が-している」 「 -機」
物事や人間性に、味わいや面白みのないこと。 「無味-」 「文部省令に支配せられる-した画一教育でもなく/一隅より 晶子

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

乾燥
かんそう
drying

固体中に含まれる水分を蒸発(または昇華)によって除去させ、無水または低水分の製品を得るための操作である。化学工業では有機溶媒で処理した固体材料から溶媒を除去回収する操作は少なくないが、このように除去物質が水でなくても蒸発(昇華)操作によって除去される場合も乾燥の範疇(はんちゅう)に含まれる。「絶縁油の乾燥」「乾燥空気」などというように、液体や気体中の水分の除去操作に対しても乾燥という語が用いられるが、単位操作の区分のうえでは前者は蒸発(または蒸留)に近い操作であり、後者は調湿(ちょうしつ)として取り扱われる。固体材料中の水分の除去操作ではあるが、直接液状のまま分離する圧搾や遠心分離操作は脱水(固液分離)操作として乾燥とは区別される(以下、記述の便宜上とくに断らない限り固体中の水分の除去として説明をするが、ほとんどの場合そのまま有機溶媒などにも適合する)。
 固体中に含まれている水分の状態は、固体の構造と水分量とによって大幅に異なる。材料自体が水を含まない非親水性材料では、水は素材間隙(かんげき)を液状水として満たし、毛細管内の水と類似した挙動をとる。構造が微細になると当然毛管力を受けることとなる。水分が少なくなると、水は固体構造の接点などの凹入部に散在するようになり、他の部分では固体内部表面に吸着状態で存在することになる。さらに乾燥させると吸着水分のみとなる。親水性材料では素材と水とは分子構造的に種々な結合をもち、均質的なものとなる。生体内では細胞液として細胞構造を形成し、あるいはゲル、ゾル、コロイドなどの状態となることも少なくない。[河村祐治]

乾燥の機構的要素

(1)材料内水分の蒸発面への移動 蒸発面は多くの場合、材料外面であるが、内部にあることもある。
(2)蒸発潜熱の供給 材料外部よりの対流伝熱、放射伝熱または材料内部の伝導伝熱およびこれらの組合せによる。誘電加熱も利用される。
(3)蒸発蒸気の除去 通気や真空排気などによって系外へ排除する。材料表面から気流への蒸気移動が対象となるが、蒸発面が材料内部にある場合には、材料内部での蒸気移動も問題になる。
 乾燥を遂行するためには、これらの因子を量的にすべて均衡させる必要があり、熱・物質同時移動操作と称されるゆえんである。[河村祐治]

乾燥方法

材料の特性に応じて、前記の乾燥機構を満足させ、効率よく乾燥を行わせるよう種々の方法が考案され実用化されている。乾燥速度を大きくすることは一般的には望ましいことであるが、ある限度を超えると材料によっては、ひずみや亀裂(きれつ)が発生したり、表面硬化(表面に緻密(ちみつ)な乾燥層ができ透水性が悪く乾燥に悪影響を与える)を生じるなどのことがあるので注意を要する。たとえば、木材の乾燥では変形防止のため外気の湿度を高めて乾燥速度を抑制する方法(調湿乾燥法)がよく用いられる。逆に、材料内部で沸騰を伴うような乾燥法(過熱蒸気乾燥法など)は一般論的には正常とはいえないが、急速乾燥ができ多孔性の製品が得られるため食品などの乾燥に用いられる。医薬品や食品などには高温では品質が劣化するため、常温以下、場合によっては氷点以下で乾燥する必要のあるものも少なくない。[河村祐治]
『桐林良三著『乾燥装置』(1966・日刊工業新聞社)』

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