廉塾(読み)れんじゅく

百科事典マイペディア 「廉塾」の意味・わかりやすい解説

廉塾【れんじゅく】

広島県福山市神辺町にある,福山藩郷塾。儒学者の菅茶山(かんちゃざん)が1781年ころ,この地に開いた家塾〈黄葉夕陽村舎(こうようせきようそんしゃ)〉がそのルーツで,1796年には塾と周辺の耕作地を藩へ献上,郷塾となった。原則入寮制で,所有する水田稲作による収入で経営され,塾生は食事・書物実費のみで授業料を負担することなく学ぶことができた。そのため塾生の身分も様々で,出身地も福山藩内はもちろん,広く西日本一円や奥羽にまで広範にわたる。著名な人物としては頼山陽を輩出している。同じ敷地内には菅茶山の旧宅もあり,塾跡とともに国の特別史跡に指定されている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の廉塾の言及

【菅茶山】より

…19歳のときからしばしば京都に遊学し那波魯堂に儒学を学ぶ。天明初年,私塾黄葉夕陽村舎(のちの廉塾)を開き,生涯を庶民教育にささげた。福山藩儒に準ぜられ地誌《福山志料》を編纂。…

【神辺[町]】より

…繊維・縫製工業も盛んで,以前は備後絣の生産地であった。幕末の朱子学者菅茶山が開いた学問所廉塾(れんじゆく)は茶山の旧宅とともに特別史跡になっている。JR福塩線,井原鉄道,国道182号,313号線が通じる。…

※「廉塾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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