日本歴史地名大系 「延野郷」の解説 延野郷のぶのごう 徳島県:那賀郡相生町延野郷現相生町延野を遺称地とし、周辺一帯に比定される中世の郷。鮎川(あいかわ)字西宮(にしのみや)に所在する大宮(おおみや)八幡神社所蔵の永和四年(一三七八)から応永六年(一三九九)にかけて書写された大般若経奥書に当郷名が散見する。たとえば巻一三三の奥書には「奉施入阿州那賀山延野郷大明神、于時永徳三年癸亥六月念四、旦那藤原実俊、戒名契俊」とある。これらの奥書によると、大般若経の奉納者として藤原実俊のほか藤原宣俊・同家俊・同俊忠等が記されているが、これら藤原氏は当地域を支配していた在地領主と思われる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by