弓長嶺(読み)きゅうちょうれい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「弓長嶺」の意味・わかりやすい解説

弓長嶺
きゅうちょうれい / クゥォンチァンリン

中国東北部、遼寧(りょうねい)省中部の遼陽(りょうよう)市に属する市轄区。人口9万0754(2014)。1984年、遼陽県の一部を分離して設置された。

 付近一帯は先カンブリア時代(5億4100万年前以前)の鉄鉱床があり、付近の鞍山(あんざん)が鉄品位24~36%の貧鉱であるのに対し、弓長嶺は角閃石縞状(かくせんせきこうじょう)鉄鉱床で、中国東北部最大の富鉱体である。鉱石磁鉄鉱赤鉄鉱で、緑泥片岩中にレンズ状に存在する。埋蔵鉱量は約20億トンで、鉱石は鞍山鋼鉄集団の高炉に供給されている。

[房村信雄・編集部 2017年4月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android