引き忍ぶ(読み)ヒキシノブ

デジタル大辞泉 「引き忍ぶ」の意味・読み・例文・類語

ひき‐しの・ぶ【引き忍ぶ】

[動バ四]人目を避ける。
「関のあなたに―・びたりしに、たづねゆきて」〈夜の寝覚・五〉
[動バ上二]に同じ。
「絶えず―・ぶる心いと深し」〈とりかへばや・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引き忍ぶ」の意味・読み・例文・類語

ひき‐しの・ぶ【引忍】

  1. ( 「ひき」は接頭語 )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 バ上二段活用 〙 表だたないようにする。人目を避ける。しのぶ。
    1. [初出の実例]「御前より、宰相の君して、忍びて賜はせたりつるといひて、ここにてさへひきしのぶるもあまりなり」(出典:枕草子(10C終)一四三)
  3. [ 2 ] 〘 自動詞 バ四段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「何の惜しげある身にてか、をこがましう若々しきやうにはひきしのばむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)

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