弘法寺(千葉県)(読み)ぐほうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「弘法寺(千葉県)」の意味・わかりやすい解説

弘法寺(千葉県)
ぐほうじ

千葉県市川市真間(まま)にある日蓮(にちれん)宗の本山。山号は真間山。『万葉集』の歌にみえる手児奈(てこな)の霊を慰めるために、737年(天平9)行基(ぎょうき)が開創したと伝える。日蓮の下総(しもうさ)における外護者であった富木(とき)入道常忍(つねのぶ)(日常)は1277年(建治3)関東天台の学匠了性房信尊(りょうしょうぼうしんそん)らと法論を行って論破逐電せしめ、その子日頂(にっちょう)を置き日蓮宗に改宗した。日頂は日蓮の弟子六老僧の一人で、本寺を中心に下総一帯の教化にあたった。中世には法華経寺(ほけきょうじ)の前身にあたる法華寺・本妙寺と一体のものであったという。本尊は日頂作の大曼荼羅釈迦如来(だいまんだらしゃかにょらい)像である。なお、同寺の近くに手児奈霊堂がある。

[田村晃祐]

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