弛い(読み)タユイ

デジタル大辞泉 「弛い」の意味・読み・例文・類語

たゆ・い【×弛い/×懈い】

[形][文]たゆ・し[ク]
疲れて力が出ない。だるい。
「腕の―・くなるのも苦にせず」〈佐藤春夫晶子曼陀羅
気がきかない。心の働きが鈍い。
「あやしく―・くおろかなる本性ほんじゃうにて」〈・若菜下〉
[派生]たゆげ[形動]

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精選版 日本国語大辞典 「弛い」の意味・読み・例文・類語

たゆ・い【弛・懈】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]たゆ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 疲れて力がない。だるい。元気がない。
    1. [初出の実例]「都辺に君は去にしを誰解けかわが紐の緒の結ふ手懈(たゆき)も」(出典万葉集(8C後)一二・三一八三)
  3. 目つきが、だるそうで力がない。
    1. [初出の実例]「いとつつましげにたゆくみなし給つるまみ」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)一)
  4. 気がゆるんで、心のはたらきがにぶい。心がゆきとどかない。のんびりしている。
    1. [初出の実例]「さいふとも日たけなむと、たゆき心どもはたゆたいて」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月一六日)

弛いの派生語

たゆ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

弛いの派生語

たゆげ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

弛いの派生語

たゆ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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