張溥(読み)ちょうふ(その他表記)Zhāng Pǔ

改訂新版 世界大百科事典 「張溥」の意味・わかりやすい解説

張溥 (ちょうふ)
Zhāng Pǔ
生没年:1602-41

中国,明末の文人。字は天如,江蘇太倉の人。崇禎4年(1631)の進士。同郷の張采(ちようさい)とともに〈婁東(ろうとう)の二張〉と称され,天下名士を網羅した文学結社〈復社〉の盟主となり,その中から多くの科挙合格者を出し,庶吉士という低い地位でありながら,当時の政界を左右するほどの勢力があった。強引な政治への介入によって権力者に憎まれ,その不法を告発されたが,まもなく死んだ。暗殺されたともいわれる。彼は古学の復興を唱え,清朝考証学への地ならしを果たしたが,その学問的業績は評価が低い。著に《七録斎集》《漢魏六朝百三名家集》などがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の張溥の言及

【復社】より

…中国,明末の江南の地主階級の知識人を主とする文学結社。天啓年間(1621‐27),科挙受験のための八股文(はつこぶん)の評選を行う,一種の予備校的文社が各地に起こったが,太倉の張溥(ちようふ)による応社が,その最初である。1633年(崇禎6)江南の各文社は,蘇州の虎丘に集まり,古学の復興をスローガンとして復社と称し,張溥を盟主として合体した。…

※「張溥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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