当込(読み)あてこむ

精選版 日本国語大辞典 「当込」の意味・読み・例文・類語

あて‐こ・む【当込】

〘他マ五(四)〙
① あてにする。うまい結果になることを期待する。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉三「英人だらうと思って当込(アテコ)んだ処が」
② 「あてこみ(当込)②」をする。
※歌舞伎・神有月色世話事(縁結び)(1862)「『道行にゃあ可笑しい装だな』『これは五右衛門を当込んだのだ』」
③ (剣道などで)相手に当たるぐらいに打ち込む。
※歌舞伎・偽織大和錦(お峰慶十郎)(1876)二幕「武家方の門弟達を当節にては当(あ)てこむほどの手なみ」

あて‐こみ【当込】

〘名〙
① あてにすること。期待すること。また、そのものや場所
※歌舞伎・怪談月笠森(笠森お仙)(1865)序幕「おいらの茶断は少し当込(アテコ)みのあることだ」
② 人の受けをねらうこと。演劇などで、最近の事件話題などをそれとなく取り入れて客受けをねらうこと。場当たり。
※俳諧反故籠(1897)〈正岡子規〉「人を模倣せず当込をなさず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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