彦星(読み)ヒコボシ

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精選版 日本国語大辞典 「彦星」の意味・読み・例文・類語

ひこ‐ぼし【彦星】

  1. ( 古くは「ひこほし」。男の星の意 ) 鷲(わし)座のアルファ星アルタイルの和名。牽牛星。いぬかいぼし。うしかいぼし。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「年にありて一夜妹に逢ふ比故保思(ヒコホシ)もわれにまさりて思ふらめやも」(出典万葉集(8C後)一五・三六五七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の彦星の言及

【アルタイル】より

…ギリシア神話では,ゼウスがトロイアの美少年ガニュメデスを略奪した際の化身とされている。和名は彦星。中国名牽牛(けんぎゆう)を当時の男子の敬称によって呼んだものである。…

【七夕】より

…【小南 一郎】
[日本の民俗]
 日本の七夕の行事はこの夜,天の川の両岸に現れる牽牛星(わし座の首星アルタイル。彦星,犬飼星)と織女星(こと座の首星ベガ)とが鵲の翼を延べたのを橋として天の川を渡り相会うという,中国の伝説を受けいれたことから興った。タナバタとは機を織ることから,その人をさすことになった古語であろうが,それが織女星に結びついたのである。…

【わし座(鷲座)】より

…ギリシア神話では大神ゼウスがトロイアの美少年ガニュメデスをさらうために化身した大鷲の姿で,ガニュメデスは星座ではみずがめ座の水がめをかつぐ少年の姿になっている。α星アルタイル(とぶ鷲)は光度0.8等,A7型の輝星で,七夕の牽牛星(和名は彦星)として有名である。両脇に光度3.9等のβ星,光度2.7等のγ星を従え,三ッ星のように一直線に並ぶが,中国ではこれを河鼓三星と呼び,日本では〈犬飼星〉と呼んでいる。…

※「彦星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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