朝日日本歴史人物事典 「得能良介」の解説
得能良介
生年:文政8.11.9(1825.12.18)
明治時代の大蔵官僚。初代印刷局長。薩摩(鹿児島)藩士得能直介,吉の長男として生まれ,出仕後,島津斉彬,久光の側近として国事に奔走。維新後,明治3(1870)年に大久保利通の推挙で民部大丞兼大蔵大丞に任ぜられる。大蔵省が民部省を合併してのち,大蔵権大丞となる。5年同省3等出仕の渋沢栄一と衝突,暴行を加えたため免官されたが,同年司法省に採用される。7年大蔵省に復帰,紙幣頭となる。10年印刷局長に就任。国立銀行条令の改正や,紙幣製造,抄紙工場の建設による国産紙幣の製造などに尽力した。<参考文献>渡辺盛衛編『得能良介君伝』
(藤井信幸)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報