精選版 日本国語大辞典 「御篶刈」の意味・読み・例文・類語
みすず‐かる【御篶刈】
- 枕 ( 「み」は接頭語。「すず」は篠竹(すずたけ) ) 篠竹が信濃に多く産するところから地名「信濃」にかかる。賀茂真淵などが「万葉集」の「水(三)薦苅(みこもかる)」を「水篶苅」の誤りとしたことによる語。→みこもかる。
- [初出の実例]「梨一参らせたく思へども御篶刈しなのの不自由なる我里は青葉がくれに雪のしろじろ残るばかり」(出典:俳諧・父の終焉日記(1801)五月七日)
御篶刈の語誌
「万葉集」に見える「水薦苅」(九六)、「三薦苅」(九七)を、羽倉信名は「万葉集童蒙抄」でミスズカルと訓んだ。この説は、賀茂真淵の誤字説と相俟って、枕詞として「みすずかる」を定着させたが、現在では、この「薦」という字のままでコモと読む説が有力となっている。