御観寺池窯跡(読み)おかんじいけようせき

日本歴史地名大系 「御観寺池窯跡」の解説

御観寺池窯跡
おかんじいけようせき

[現在地名]富田林市中野

羽曳野はびきの丘陵東縁、お亀石かめいし古墳のある丘陵の南西斜面裾部に位置する奈良時代前期の瓦窯跡。現状は、谷を利用して築かれた御観寺池の堤防北端と丘陵の接点に該当し、焚口・焼成部は満水時にはほぼ水没する。渇水時に偶然確認され、昭和四六年(一九七一)の発掘調査で、全長四九八センチ・最大幅二一五センチ・最小幅九一センチ、床面傾斜角一三度の無段式の登(窖)窯であることが判明。とくに焚口に続く燃焼室にロストル構造に改築された跡がみられ、奥壁部に縦二条の煙道が並行してうがたれ、その表面を完形の丸瓦・平瓦で被覆するという注目すべき状況が確認された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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