化学辞典 第2版 「微生物脱硫」の解説
微生物脱硫
ビセイブツダツリュウ
microbial desulfurization
微生物による硫黄の代謝反応を利用して,原油中の硫黄化合物を除去する方法.微生物を好気的に作用させ,有機硫黄化合物を硫酸にまで酸化するか,または水素ガス存在下で嫌気的に作用させて硫化水素にするか,それらを組み合わせた方法が用いられる.酸化法では,硫黄細菌Thiobacillus thiooxidans,T. thioparusを用いて,32 ℃,4 d 培養し,有機硫黄化合物を硫酸とし,イオン交換樹脂で除去,カルシウム,バリウム塩として沈殿除去する.還元法では,硫黄還元菌Desulfovibrio desulfuricansを用いて,25~27 ℃,水素分圧25~100%,pH 6.5~7.5で嫌気的条件下で活性化水素によって硫黄化合物は硫化水素,メルカプタンとなり除去される.酸化-還元法では,Pseudomonas,Alcaligenes,Bacillus属を用いて,好気的条件で酸化し,生成した硫酸をVibrio属で嫌気的条件下で還元し,硫化水素として除去する.[別用語参照]硫黄細菌
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報