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硫化水素 りゅうかすいそhydrogen sulfide

翻訳|hydrogen sulfide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

硫化水素
りゅうかすいそ
hydrogen sulfide

化学式 H2S 。天然には火山ガス硫黄泉などに含まれるが,実験室的には硫化鉄希硫酸を作用させて製する。無色の有毒ガスであり,腐った卵のような悪臭がある。空気中では淡青色の炎をあげて燃える。-60.1℃で液化し,-82.9℃で固化する。空気より重く,水,アルコール可溶化水素水は不安定で,空気中の酸素により,容易に硫黄を析出し白濁する。飽和水溶液の pHは約 4.5。還元性がある。適当な酸濃度で金属塩溶液中に通じると,各金属イオンに特有の色をもった硫化物を沈殿するので,重要な分析試薬である。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

硫化水素

無色のガスで刺激臭がある。ガス中毒に詳しい筑波大の内藤裕史名誉教授によると、60ppmを超えるガスを30分吸うと肺水腫が起きる。150ppmを超えると意識混濁、呼吸マヒの症状が現れる。800ppm以上だと即死するとされる。空気よりも重く、入浴時に顔が位置する浴槽の湯面近くにたまりやすい。長時間の入浴はリスクを高める。 2005年には秋田県泥湯温泉の駐車場近くで硫化水素ガスがたまった雪穴に落ちた家族4人が死亡した。同県乳頭温泉郷では15年に源泉付近で配管作業していた3人が亡くなる事故が起きている。

(2017-01-17 朝日新聞 朝刊 1社会)

硫化水素

空気中に含まれる硫化水素ガス濃度が100~300ppm程度の場合、個人差もあるが8~48時間で気管支炎肺炎、肺水腫による窒息死に至る。700ppm以上だと数回の呼吸で倒れる「ノックダウン」を起こすとされる。

(2016-10-21 朝日新聞 朝刊 1社会)

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デジタル大辞泉の解説

りゅうか‐すいそ〔リウクワ‐〕【硫化水素】

水素の硫化物。腐卵臭のある無色の有毒気体硫黄を含むたんぱく質が腐敗したときに生じ、また火山ガスや鉱泉中に含まれる。実験室では硫化鉄塩酸で分解して得る。水に溶けて弱酸性を示す。各種金属塩の水溶液に通ずると特有の色をもつ硫化物を沈殿させるので、分析試薬として利用。化学式H2S

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百科事典マイペディアの解説

硫化水素【りゅうかすいそ】

化学式はH2S。融点−82.9℃,沸点−60.19℃。無色,特異臭(腐卵臭)のある気体。液化しやすく,液体は多くのものを溶かす。水によく溶け水溶液は酸性。
→関連項目脱硫

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栄養・生化学辞典の解説

硫化水素

 H2S (mw34.08).特有の臭気のある気体で,有毒.多くの金属イオンと結合して硫化物を作る.

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうかすいそ【硫化水素 hydrogen sulfide】

化学式H2S。天然には火山ガスおよび火山地方の温泉ガスに含まれている。また卵黄などの硫黄を含むタンパク質の分解によっても発生する。硫化水素は金属の硫化物に酸を作用させるとたやすく得られる。最も簡単には硫化鉄と,希塩酸または希硫酸を反応させる。不純物を取り除くため水で洗浄した後に塩化カルシウム管で乾燥させる。硫化カルシウムと塩化マグネシウムを水溶液中で60℃に熱して反応させても得られる。 CaS+MgCl2+2H2O  ―→CaCl2+Mg(OH)2+H2S硫化ナトリウムNa2S・9H2Oとリン酸,硫化カルシウムCaSと塩酸を用いれば不純物の少ないH2Sが得られる。

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大辞林 第三版の解説

りゅうかすいそ【硫化水素】

火山ガスや鉱泉中に含まれる腐った卵のような臭いをもつ無色の有毒気体。実験室では、硫化鉄に希塩酸を加えてつくる。化学式 H2S 空気中で青色の炎をあげて燃焼して二酸化硫黄を生じる。還元性をもち、各種の金属と反応して硫化物をつくる。水に少し溶けて弱酸性を示し、金属塩水溶液に通じると、各金属に特有な色をもった硫化物の沈殿を生じる。定性分析用試薬として重要。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硫化水素
りゅうかすいそ
hydrogen sulfide

水素の硫化物。天然には火山ガス、温泉などに含まれ、卵白の腐敗によっても生じる。また各種汚泥中の硫酸イオンが腐敗菌などによって還元されて生成し、大気中に含まれる。工業的には触媒の存在下、硫黄蒸気と高温で水素と反応させるか、硫化水素を含む副生ガス、天然ガスなどから回収する。ボンベ入りで市販されている(ボンベの色はねずみ色)。実験室では、キップの装置を用いて硫化鉄に希塩酸または希硫酸を作用させてつくる。
  FeS+2HCl→H2S+FeCl2
特異臭(腐卵臭)のある無色の気体。20℃で水100グラムに258ミリリットル(0℃、1気圧)溶けて硫化水素水となる。きわめて弱い二塩基酸である。可燃性であり、発火点260℃。空気中で点火すると青色の炎をあげて燃え、二酸化硫黄(いおう)と水になる。湿気があると金属の表面に硫化物をつくりやすい。還元作用があり、二酸化硫黄との反応は天然硫黄の生成反応の一つである。重金属塩の水溶液に硫化水素を通じると、有色の硫化物の沈殿を生じるため、定性分析の試薬となる。また、工業薬品、農薬、医薬品の製造、蛍光体の製造などに用いられる。きわめて毒性が強く、許容濃度10ppm。500ppm以上で生命に危険を生じ、1000ppm以上になると急死する。[守永健一・中原勝儼]

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世界大百科事典内の硫化水素の言及

【大気汚染】より

…ここで有害物質とは,カドミウム,鉛とこれらの化合物,塩素,塩化水素,フッ素,フッ化水素,フッ化ケイ素および窒素酸化物である。 硫化水素H2S無色腐卵臭のある有毒気体で,火山ガスや鉱泉に含まれ,硫黄を含むタンパク質の腐敗でも生ずる。石油精製,ガス工業,アンモニア工業,パルプ工業が人工発生源となる。…

※「硫化水素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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