心の種(読み)こころのたね

精選版 日本国語大辞典 「心の種」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 の 種(たね)

  1. ( 「古今集仮名序」の「やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける」による ) 心を植物種子にたとえ、言葉の「葉」と対応させたもの。詩歌、詞の生じるもと。
    1. [初出の実例]「苗代に心のたねを蒔きそへて鳴くやかはづのやまと言の葉〈津守国冬〉」(出典:新千載和歌集(1359)雑下・二一五三)
  2. 心が展開するもとになるものを、草木の種にたとえた語。
    1. [初出の実例]「ひとつねに心のたねのおひいでて花さきみをばむすぶなりけり」(出典:聞書集(12C後))
  3. 心に悩みを生じさせるもと。悩みのたね。
    1. [初出の実例]「山ぞだてしやの山かづら、引手かずかずかずならぬ心のたねの、ささぶねになさけのうは荷」(出典:浄瑠璃・薩摩歌(1711頃)夢分舟)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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