心因性頻尿(読み)しんいんせいひんにょう(その他表記)Psychogenic frequency-urgency syndrome

六訂版 家庭医学大全科 「心因性頻尿」の解説

心因性頻尿
しんいんせいひんにょう
Psychogenic frequency-urgency syndrome
(子どもの病気)

どんな病気か

 心気症に含めてもよい病気ですが、もっと強迫的な(不合理であるとわかっていても気になる)要素が強いものです。幼児期から小・中学生の年代まで幅広く認められます。

原因は何か

 原因は不明ですが、本人の性格(とくに強迫的な性格傾向)や親子関係も含めた生活環境が発症に大きく関わっているといわれています。

症状の現れ方

 尿意が起こるために、頻繁にトイレに行く状態です。学校でも症状が現れる場合は不登校になることもあります。

検査と診断

 小児科あるいは泌尿器科で必要な身体的検査を行い、身体疾患が否定されることで診断がつきます。

治療の方法

 心気症に準じます。強迫性(きょうはくせい)障害とも重複するため、年長児の場合にはフルボキサミン(ルボックス、デプロメール)やパロキセチン(パキシル)などの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使うこともあります。予後は一般的に悪くはありません。

病気に気づいたらどうする

 症状が激しい場合には、児童精神科への受診加療が必要になります。

松本 英夫

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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