心安(読み)ウラヤス

デジタル大辞泉 「心安」の意味・読み・例文・類語

うら‐やす【心安】

[形動ナリ]心が安らかなさま。
「春へ咲く藤の末葉うらばの―にさ寝る夜そなき子ろをし思へば」〈・三五〇四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心安」の意味・読み・例文・類語

うら‐やす【心安】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「うら」は「こころ」の意 ) なんの不安もなく、心安らかなさま。気安いさま。穏やかなさま。
    1. [初出の実例]「春べ咲く藤の末葉(うらば)の宇良夜須爾(ウラヤスニ)さ寝(ぬ)る夜ぞ無き子ろをし思(も)へば」(出典万葉集(8C後)一四・三五〇四)

こころ‐やす【心安】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 形容詞「こころやすい」の語幹から ) 心やすいさま。感動表現にも用いる。
    1. [初出の実例]「されども此鳥には枝一本かして心安に林の中にすましてたまわらぬことよと」(出典:玉塵抄(1563)六)
    2. 「それはまことでござるか。しんじちじゃ。ああ心やすや」(出典:虎明本狂言・二千石(室町末‐近世初))

こころ‐やすらか【心安】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 心がおだやかなさま。落ち着いた心のさま。
    1. [初出の実例]「彼は心安らかでなかった」(出典:故旧忘れ得べき(1935‐36)〈高見順〉一)

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