心安(読み)ウラヤス

デジタル大辞泉の解説

うら‐やす【心安】

[形動ナリ]心が安らかなさま。
「春へ咲く藤の末葉(うらば)の―にさ寝る夜そなき子ろをし思へば」〈・三五〇四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

うらやす【心安】

( 形動ナリ )
心の安らかなさま。気掛かりのないさま。 「春へ咲く藤の末葉うらばの-にさぬる夜そなき子ろをし思へば/万葉集 3504

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

うら‐やす【心安】

〘形動〙 (「うら」は「こころ」の意) なんの不安もなく、心安らかなさま。気安いさま。穏やかなさま。
※万葉(8C後)一四・三五〇四「春べ咲く藤の末葉(うらば)の宇良夜須爾(ウラヤスニ)さ寝(ぬ)る夜ぞ無き子ろをし思(も)へば」

うら‐やす・し【心安】

〘形ク〙 (「うら」は「こころ」の意) 心が安らかである。心配または懸念がない。
※随筆・藤簍冊子(1806)三「波てふ物の聊(いささ)かも立たぬがうらやすしとや、蜑舟二人して漕ぎ出づとて」

こころ‐やす【心安】

〘形動〙 (形容詞「こころやすい」の語幹から) 心やすいさま。感動表現にも用いる。
※玉塵抄(1563)六「されども此鳥には枝一本かして心安に林の中にすましてたまわらぬことよと」
※虎明本狂言・二千石(室町末‐近世初)「それはまことでござるか。しんじちじゃ。ああ心やすや」

こころ‐やす・い【心安】

〘形口〙 こころやす・し 〘形ク〙
① 気持が落着いている。気づかいがない。安心である。心のどかである。
※拾遺(1005‐07頃か)春・六二「浅茅原ぬしなき宿の桜花心やすくや風にちるらん〈恵慶〉」
源氏(1001‐14頃)桐壺「源氏の君は、上の常に召しまつはせば、心やすく里住みもえし給はず」
※説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)中「せいもんをたていならば、たて申べきぞ。お心やすかれ大夫殿」
② だれでもすぐ親しめるようなさまである。きさくである。また、気心がわかっていて、遠慮なくつきあっているさまである。親しい。懇意である。
※蜻蛉(974頃)中「いでや、さらずとも、かれらいとこころやすしと聞く人なれば、なにか、さわざわざしう、構へたまはずともありなん」
※西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一〇「けふ此頃懇意(ココロヤス)くなッた者の肩ア持ッておれをこめるのハなんのこッた」
※家(1910‐11)〈島崎藤村〉上「階下(した)に住む夫婦者は〈略〉しかし心易い人達ではあった」
③ やさしい。容易である。簡単である。わけもない。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「御息所は、おほん暇(いとま)の心やすからぬに懲り給て、かかるついでにしばしあらまほしくおぼしたり」
※虎寛本狂言・賽の目(室町末‐近世初)「何ぞ六つケ敷い割物でも被仰付らるるかと存て御座れば、是は何より心安い事で御座る」
こころやす‐げ
〘形動〙
こころやす‐さ
〘名〙

こころ‐やすらか【心安】

〘形動〙 心がおだやかなさま。落ち着いた心のさま。
※故旧忘れ得べき(1935‐36)〈高見順〉一「彼は心安らかでなかった」

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