心浮く(読み)ココロウク

デジタル大辞泉 「心浮く」の意味・読み・例文・類語

こころ・く

心がうわついて思慮に欠ける。
「―・きたるにつき、さては、宮仕へなどする人は…末の世わろきものなり」〈宇津保・祭の使〉
陽気になる。心がうきうきする。
「―・きたる顔し、円座を尻につけ立ちて踊れり」〈咄・醒睡笑・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心浮く」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 浮(う)

  1. 気持がうわつく。思慮分別を欠く。
    1. [初出の実例]「こころうきたるにつき、さては、宮仕へなどする人は、〈略〉親の後の世うしろめたく、末の世わろきものなり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)
  2. 陽気である。気さくにふるまう。
    1. [初出の実例]「そなたのやうなこころのういたやさしい人がくめば一入水もかるふてあぢまでがちがふと云」(出典:天理本狂言・水汲新発意(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android