心違う(読み)こころたがう

精選版 日本国語大辞典 「心違う」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 違(たが)

[一] (「違う」が自動詞四段活用の場合)
本意にそむく。予期に反する。あてがはずれる。
万葉(8C後)二・一七六「天地と共に終へむと思ひつつ仕へ奉りし情違(こころたがひ)ぬ」
源氏(1001‐14頃)総角「あはれと思ふ人の御心も、必ずつらしと思ぬべきわざにこそあめれ。我も人も見おとさず、心たがはでやみにしがなと」
② 気が変わる。心境が変化する。
蜻蛉(974頃)中「我心のたがはぬを、人のあしうみなしてとのみあり」
今昔(1120頃か)一七「身に病有と云へども、苦しむ所无く、心不違して、西に向て彌陀念仏を唱へ」
[二] (「違う」が他動詞下二段活用の場合) 本意にそむくようにする。志を無にするようなことをする。
※源氏(1001‐14頃)賢木「ただ人にて、おほやけの御後見をせさせむと思給へしなり。その心たがへさせ給なと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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