心頭を滅却すれば火もまた涼し(読み)しんとうをめっきゃくすればひもまたすずし

精選版 日本国語大辞典 の解説

しんとう【心頭】 を 滅却(めっきゃく)すれば火(ひ)もまた=涼(すず)し[=水(みず)

無念無想境地にいたれば、火さえも涼しく感じられるの意で、どのような困難、苦難も、それを超越した境地にはいれば、何でもないことにいう。
蔗軒日録‐文明一八年(1486)六月一五日「古人云、滅却心頭火亦水」
[補注](1)天正一〇年(一五八二)四月、織田信長の勢によって、甲斐(山梨県)恵林寺(えりんじ)の僧衆老若は残らず山門に追い上げられ火をかけられた時、この寺の快川禅師が法衣を着、扇子を持って端座し、この偈(げ)を発し焼死したという。
(2)唐の詩人杜荀鶴の「夏日題悟空上人院詩」に「三伏閉門披一衲、兼無松竹蔭房廊、安禅不必須山水、滅得心中火自凉」とある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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