忍歩(読み)しのびあるき

精選版 日本国語大辞典 「忍歩」の意味・読み・例文・類語

しのび‐あるき【忍歩】

〘名〙 人目をさけて外出すること。身分の高い人などが、他人に知られないように、かくれて出歩くこと。微行(びこう)。しのびありき。しのび。
※阿波国文庫旧蔵本伊勢物語(10C前)五〇「あたくらへかたみにしけるをんなのしのひあるきするかことなるへし」
[補注]古くは「しのびありき」が普通の形。「伊勢物語」の例も、「しのひありき」とした諸本が多い。

しのび‐あり・く【忍歩】

〘自カ四〙 人目を避けて出歩く。身分の高い人などが、他人に知られないように、こっそりと動きまわる。微行(びこう)する。
源氏(1001‐14頃)宿木「わりなくしのびありかん程も心つくしに、女のかたがたおぼし乱れん事よ」

しのび‐ありき【忍歩】

※伊勢物語(10C前)五〇「あだくらべかたみにしけるをとこ女の、しのひありきしけることなるべし」

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