応力塗料(読み)おうりょくとりょう(英語表記)brittle coating

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「応力塗料」の意味・わかりやすい解説

応力塗料
おうりょくとりょう
brittle coating

ひずみ塗料ともいう。物体応力解析を目的とした非常にもろい性質の特殊な塗料。学術的には脆性塗料という。物体の表面に塗料膜を塗布しておき,負荷されたときに生じる塗料膜の亀裂模様から応力の状態を知るもので,物体表面の引張り主応力に対して垂直に亀裂が生じ,亀裂間隔と応力値間にも対応性がある。塗装さえ可能ならば,材料,形状,寸法にかかわりなく適用でき,高い応力領域を見落さず,主方向と全体の応力状態肉眼で把握できるが,塗膜厚さや温度,湿度などに影響されやすく,ひずみ計ほどには精度がよくない。一般に室温以上の温度での測定は容易でない。

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世界大百科事典(旧版)内の応力塗料の言及

【応力】より

…これはガラスやエポキシ樹脂などの材料に応力が作用しているとき,そこを通過する光の偏光面が回転する性質を利用したもので,光の干渉により生ずる干渉縞の分布から応力の分布や大きさを解析する。このほかX線の回折像から結晶の格子面間隔を測定し,これをもとに応力を算出する方法(実際はひずみを測定している),ひずみをひずみゲージで測定して,これから応力を求める方法などが利用され,また表面に塗料(応力塗料)を塗っておき,外力を加えたときに塗料の皮膜に生ずる亀裂から応力を求める方法もある。【朝田 泰英】。…

※「応力塗料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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