精選版 日本国語大辞典 「念無」の意味・読み・例文・類語
ねん‐な・し【念無】
〘形ク〙
① それに考えを及ぼすことがない。考慮することがない。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「射をとさむ事は無下に安けれ共、是ほどの剛の者を念(ネン)なふうしなはん事、情なかるべし」
② 無念である。残念である。口惜しい。後悔する。
③ 容易である。たやすい。簡単である。
※太平記(14C後)七「夜昼三日か間に、念(ネム)なく掘崩してけり」
④ 思いがけない。意外である。多く、期待していた以上の好結果の場合に用いる。
※義経記(室町中か)三「ねんなく御辺はせられて候物かな」
⑤ 心残りがない。
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