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有珠山 うすざん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有珠山
うすざん

北海道南西部,洞爺湖の南岸にある二重式火山(→複式火山)。活火山で,常時観測火山伊達市壮瞥町洞爺湖町の境に位置する。標高 733m。輝石安山岩の火山砕屑物からなる。火山体頂部のカルデラ(直径約 3km)内に,大有珠(733m),小有珠(557m),オガリ山,有珠新山の 4中央火口丘がある。寛文3(1663)年から今日までに数回の噴火が記録され,1910年の噴火では,洞爺湖畔の山麓部に 45ヵ所のすり鉢形火口のほか,臼状の砕屑丘(ホマーテ)が形成された。1944年には東麓寄生火山昭和新山(398m)が出現。その後,沈静期を経たのち,1977年8月7日突然爆発を起こし,約 1億m3火山灰を噴出,洞爺湖周辺の農地,林地,洞爺湖温泉壮瞥温泉の両集落に多大な損害を与え,降灰区域は北海道の約半分に及んだ。気象庁はこの噴火を「1977年有珠山噴火」と命名。さらに 2000年3月31日からの噴火では,有珠山の西に位置する西山と金比羅山の西側に 65個の火口が形成され,2000年5月以降終息に向かうまで洞爺湖温泉を中心に虻田町(今日の洞爺湖町),壮瞥町,伊達市が損害を被った。1949年支笏洞爺国立公園区域に指定。

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知恵蔵の解説

有珠山

北海道の洞爺湖に隣接する活火山。2000年3月末から数カ月にわたって、活発な噴火活動があった。噴火は3月31日に北西山麓の西山で、翌日にはそこから北東に1km離れた金毘羅山で始まり、いずれも高さ3000m以上の噴煙を上げた。噴出物は、新しいマグマの破砕物と、古い岩石の破片が半々だった。2つの領域は、その数日後から多数の小火口を造って熱水や水蒸気を出し、間欠的に泥混じりの噴煙のジェットを上げた。火口周辺の地面には、60mに達する隆起が生じた。噴火の4日前から、有感地震を含む多数の火山性地震が北西山麓の地下で発生し、それに基づいて火山噴火予知連絡会は噴火の可能性を事前に警告し、周辺の住民1万人余りが避難した。その後、活動低下の見通しに従って、避難地域は段階的に縮小された。これ以前では、1663年に始まる7回の噴火がある。うち5回は初期に山頂でマグマ爆発を起こした。特に1822年の噴火では火砕流全方位に出て、内浦湾に隣接する当時の虻田(あぶた)集落が全滅した。2回の山麓噴火は、水蒸気爆発の後に、1910年には明治新山を、43〜45年には昭和新山を生み出した。

(井田喜明 東京大学名誉教授 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

有珠山

洞爺湖の南に位置する活火山。7千~8千年前の山体崩壊後、長く活動を休止したが、1663年(寛文噴火)に活動を再開。17世紀末(詳細不明、先明和噴火)▽1769年(明和噴火)▽1822年(文政噴火)▽1853年(嘉永噴火)と続き、1910~2000年の4回を含め、有史以来9回噴火している(有珠山地域防災ガイドブックから)。1910年まで30~50年周期だった噴火が、その後は20~30年周期に狭まっている。00年噴火は3月31日午後1時7分、有珠山の西山のふもとで始まり、翌4月1日には洞爺湖温泉街に近い金比羅山のふもとでも噴火した。

(2010-03-30 朝日新聞 朝刊 1道)

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百科事典マイペディアの解説

有珠山【うすざん】

北海道南西部,洞爺(とうや)湖カルデラ南部に噴出した二重式火山。有珠岳とも。直径約2kmの外輪山に囲まれた火口の東縁に大有珠(最高点で標高733m),西縁に小有珠(557m)があり,ともに粘性の大きい石英安山岩からなる。
→関連項目壮瞥[町]

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世界大百科事典 第2版の解説

うすざん【有珠山】

北海道南西部,洞爺湖の南に位置する活火山。有珠岳ともいう。山体は東西・南北とも約8km,伊達(だて)市,虻田(あぶた)町,壮瞥町にまたがる。二重式火山で山頂部に直径1.8km,標高約500mの外輪山をもち,火口原に小有珠,大有珠(741m)の溶岩円頂丘およびオガリ山,有珠新山(653m)の潜在円頂丘のほか銀沼とよばれる小沼がある。また,北麓にはコンピラ山,西丸山,明治新山,東丸山などの潜在円頂丘があり,東麓には昭和新山の溶岩円頂丘がある。

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大辞林 第三版の解説

うすざん【有珠山】

北海道南西部、洞爺とうや湖の南にある二重式活火山。大有珠は海抜732メートル。1977年(昭和52)噴火、有珠新山をつくる。北麓ほくろくに明治新山、東麓に昭和新山などがある。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔北海道〕有珠山(うすざん)


北海道南西部、洞爺(とう)カルデラの外輪山南部に噴出した複式火山。直径約2kmの火口内に大有珠・小有珠・オガリ山・有珠新山などの溶岩円頂丘(ようがんえんちょうきゅう)がある。最高峰は大有珠で標高732m。有珠岳とも。数十年おきに噴火を繰り返す活火山で、17世紀以降で10回以上も噴火記録がある。山腹の寄生火山としては1910年(明治43)に明治新山、1945年(昭和20)には昭和新山が形成された。近年では2000年(平成12)3月から噴火活動を再開、大規模なマグマ水蒸気爆発を起こし、噴石(ふんせき)・噴煙活動も活発化、多数の新火口が形成され、熱泥流が温泉街を埋める事態になった。北麓(ほくろく)に洞爺湖(とうやこ)温泉・壮瞥(そうべつ)温泉がわき、景勝に恵まれた道南観光の一中心。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有珠山
うすざん

北海道南西部、内浦湾(噴火湾)に面し、東日本火山帯に属する活火山。有珠岳ともいう。約11万年前に大規模な火砕流噴火によって、カルデラ(現在の洞爺湖(とうやこ))が形成され、約2万年前から断続的に火山活動がおきカルデラの南側に有珠火山が生じた。有珠山は玄武岩、安山岩の成層火山で、山頂部に小カルデラ(直径約1.5キロメートル)をもつ。最高峰(737メートル)の大有珠(1853年誕生)と小有珠(1769年誕生)の両潜在円頂丘(潜在ドーム)はデイサイトであり、寄生火山である昭和新山(398メートル)は1943~1945年に誕生したデイサイトの潜在ドームの一部が地表に顔を出したものである。さらに大有珠、小有珠の中間の有珠新山(1977~1978年誕生)、北側山腹の明治新山(1910年誕生。別名四十三山(よそみやま))など、多くの潜在ドームがある。1663年(寛文3)や1822年(文政5)の噴火では火砕流などで犠牲者を出す噴火がおこっている。
 2000年(平成12)3月末から4月にかけて有珠山の西山西麓(せいろく)と洞爺湖温泉街のすぐ裏でマグマ水蒸気爆発が発生し、西山西麓火口群と金毘羅(こんぴら)山火口群が出現した。噴火活動は同年8月ごろまで続いた。西山西麓火口群の直下にマグマが貫入し、新山が形成された。噴火は前兆地震や地殻変動によって的確に予測され、住民避難がうまく行われた。過去400年の有珠山の噴火のなかでは比較的規模の小さいものであった。噴火に関連し、強い火山性地震が続発し、顕著な地殻変動がみられるのが特徴。札幌管区気象台火山監視・情報センターが常時火山観測中である。北海道大学の有珠火山観測所がある。支笏(しこつ)洞爺国立公園に属し、温泉、勝景に恵まれている。洞爺湖・有珠山地域は、2009年に「洞爺湖有珠山ジオパーク」として世界ジオパークに認定された。[諏訪 彰・中田節也]

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世界大百科事典内の有珠山の言及

【火山帯】より

…東日本火山帯の一部をなす。これに属する諸火山は,おもに輝石安山岩,デイサイトからなり,有珠(うす)山や岩手山にはアルカリ(ナトリウム,カリウム)に乏しい玄武岩を産する。成層火山が多く,ときには溶岩円頂丘を伴い,また北海道の支笏,洞爺,濁川,北奥羽の八甲田,十和田などのように,大規模な火砕流噴出に伴った山体の陥没で生じたカルデラが多い。…

※「有珠山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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