山川 世界史小辞典 改訂新版 「13植民地」の解説
13植民地(じゅうさんしょくみんち)
Thirteen Colonies
17世紀初頭以来,北アメリカに建設され,1776年に独立を宣言するに至った13の植民地。これら植民地の政治形態には国王直轄,領主制,自治制の3種があったが,いずれの場合にも,植民地住民は植民地の内政に関して強い発言力を持つようになった。18世紀までに北部の植民地は海運,造船,漁業,農業により,中部の植民地は穀物,家畜の生産と海運により,南部の植民地はタバコ,藍,米などの生産により,それぞれ経済的基盤を確立した。イギリスは本国の利益のために植民地の貿易や産業の統制を行ったが,それは厳しく実行されず,植民地はイギリス帝国体制のなかで,政治的にも経済的にもかなりの自由を享有しつつ発展したので,植民地人は独立を望まなかった。しかしフランスおよびインディアンとの戦争以後イギリスの政策が変わるとともに,本国と植民地の関係は悪化した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報