念紙(読み)ネンシ

デジタル大辞泉 「念紙」の意味・読み・例文・類語

ねん‐し【念紙】

日本画で、下絵本紙または壁や板に写しとるときに用いる紙。木炭粉末ベンガラなどを和紙の裏に塗ったもので、下絵と画面との間に入れ、下絵の輪郭をたどって転写する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「念紙」の意味・読み・例文・類語

ねん‐し【念紙】

〘名〙 日本画で、下絵を本紙にうつし取るときに用いる、木炭の粉をつけた紙。本紙、念紙、下絵の順に重ねて、下絵の線をなぞれば、下絵はそのまま本紙にうつる。

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世界大百科事典(旧版)内の念紙の言及

【日本画】より

…絵画用の絹は衣服に使用されているものと基本的には変わらないが,含有成分セリシンを取り除いていない生絹を織ったものである。
[念紙]
 墨や絵具は描き直しがしにくいため,描く前に十分構想を練り,下図を作るのが普通である。念紙は下図を本画用の基底材料に写すための紙である。…

※「念紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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