思し入る(読み)おぼしいる

精選版 日本国語大辞典 「思し入る」の意味・読み・例文・類語

おぼし‐い・る【思入】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「おもいいる(思入)」の尊敬語 ) 深く心に思いこみなさる。いちずに思いつめなさる。
    1. [初出の実例]「せめて御心にふかくこの北方をおぼしいりおはします」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
    2. 「そののちは、ただうき身とのみおぼしいるに」(出典:あさぢが露(13C後))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 「おもいいれる(思入)」の尊敬語 )
    1. 物事を深く心におとめになる。
      1. [初出の実例]「なににかおぼしいるる。あなをさな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. ( 「入る」をかけことば的に使って ) ある範囲内に含めてお考えになる。
      1. [初出の実例]「人数にはおぼしいれざりけめど、いはけなうはべし時より深く頼み申す心の侍しを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)柏木)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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