思ひ増す(読み)オモイマス

デジタル大辞泉 「思ひ増す」の意味・読み・例文・類語

おもい‐ま・す〔おもひ‐〕【思ひ増す】

[動サ四]
ますます恋い焦がれる。
彦星の―・すらむことよりもみる我くるし夜のふけゆけば」〈拾遺・秋〉
他よりよいと思う。
「待てといふに散らでしとまるものならば何を桜に―・さまし」〈古今・春下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「思ひ増す」の意味・読み・例文・類語

おもい‐ま・すおもひ‥【思増】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行四段活用 〙 ますます恋しく思う。愛する気持がつのる。
    1. [初出の実例]「吾が命の全(また)けむかぎり忘れめやいや日に異(け)には念益(おもひます)とも」(出典万葉集(8C後)四・五九五)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
    1. いっそう大切に思う。他よりよいと思う。
      1. [初出の実例]「待てといふに散らでしとまる物ならば何を桜に思まさまし〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春下・七〇)
    2. 思う気持を強くする。
      1. [初出の実例]「葦辺より満ちくる潮のいやましに君に心を思ます哉」(出典:伊勢物語(10C前)三三)

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