思ひ果つ(読み)オモイハツ

デジタル大辞泉 「思ひ果つ」の意味・読み・例文・類語

おもい‐は・つ〔おもひ‐〕【思ひ果つ】

[動タ下二]
そうだとはっきり判断する。最後に思い当たる。
「宮なりけりと―・つるに、乳母めのと言はむ方なくあきれてゐたり」〈東屋
思い切る。あきらめる。
「(源氏ヲ)つらき方に―・て給へど」〈・葵〉
最後まで愛し続ける。
「つらきゆかりにこそ、え―・つまじけれ」〈空蝉

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精選版 日本国語大辞典 「思ひ果つ」の意味・読み・例文・類語

おもい‐は・つおもひ‥【思果】

  1. 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. こうだと心に決めてしまう。はっきりと判断する。
    1. [初出の実例]「人知れぬ心のうちのいつはりをたがまこととかおもひはつべき」(出典:亭子院御集(10C中))
  3. 見込みがない、だめだと思い込む。
    1. (イ) 自分から進んで思い切る。見限る。
      1. [初出の実例]「かれをにくしとはおもひはてぬものから、返り事もせざりければ」(出典:平中物語(965頃)二)
    2. (ロ) しようがなくて諦める。断念する。
      1. [初出の実例]「今はかぎりにおもひはてにたる身をば仏もいかがし給はむ」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  4. 最後まで愛したり、世話をしたりする。思い続ける。
    1. [初出の実例]「されど、われをあひ思はぬやうに聞ゆれば、えおもひはつまじくなんある」(出典:宇津保物語(970‐999頃)忠こそ)

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