空蝉(読み)ウツセミ

デジタル大辞泉 「空蝉」の意味・読み・例文・類語

うつせみ【×蝉】

《「うつしおみ」が「うつそみ」を経て音変化したもの》
この世に現に生きている人。転じて、この世。うつしみ。
「いにしへもしかにあれこそ―も妻を争ふらしき」〈・一三〉
《「空蝉」「虚蝉」などの字を当てたところから》蝉の抜け殻。また、蝉。 夏》「―を妹が手にせり欲しと思ふ/誓子
「―の身をかへてけるのもとになほ人がらのなつかしきかな」〈・空蝉〉
[補説]作品名別項。→空蝉

うつせみ【空蝉】[巻名]

源氏物語第3巻の巻名。光源氏17歳。源氏が空蝉の寝所に忍びこむが拒まれることなどを描く。
源氏物語の登場人物衛門督えもんのかみの娘。伊予介いよのすけ後妻。源氏の贈った歌によってこの名がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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