思ひ消つ(読み)オモイケツ

デジタル大辞泉 「思ひ消つ」の意味・読み・例文・類語

おもい‐け・つ〔おもひ‐〕【思ひ消つ】

[動タ四]
強いて思わないようにする。忘れようとする。
「よろづの事すさびにこそあれ、と―・たれ給ふ」〈澪標
無視する。軽蔑する。
「こよなく―・ちたりし人も、嘆き負ふやうにて亡くなりにき」〈藤裏葉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「思ひ消つ」の意味・読み・例文・類語

おもい‐け・つおもひ‥【思消】

  1. 〘 他動詞 タ行四段活用 〙
  2. むりに忘れる。しいて思わないようにする。おもいけす。
    1. [初出の実例]「他人(ことひと)はかくおもひけたせざらまし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
  3. ないものと考えて問題にしない。無視する。
    1. [初出の実例]「はかなき事の折に、人のおもひけち、なきものにもてなすさまなりし御禊(みそぎ)の後」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

1969年から続く英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門で、他言語から英語に翻訳された優れた作品に贈られる。翻訳者の仕事を重視し、賞金5万ポンド(約970万円)は作家と翻訳者で折半される。2005年...

国際ブッカー賞の用語解説を読む