改訂新版 世界大百科事典 「恋路ゆかしき大将物語」の意味・わかりやすい解説 恋路ゆかしき大将物語 (こいじゆかしきだいしょうものがたり) 鎌倉後期ころ成立の王朝風物語。それぞれ残欠本である金子武雄蔵本4巻と桂宮本1巻とを合わせて一つの完本に近くなるが,この両本以外には世に伝本がない。宮廷を中心とした男女の恋物語で,構想その他《いはでしのぶ物語》をまねたところが多い。前半は3人の貴公子の華やかな得恋物語なのに対し,後半は1人の貴公子の悲恋物語に転じ,ややまとまりを欠く。文章は流麗である。執筆者:松尾 聡 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by