恋路ゆかしき大将物語(読み)こいじゆかしきだいしょうものがたり

改訂新版 世界大百科事典 「恋路ゆかしき大将物語」の意味・わかりやすい解説

恋路ゆかしき大将物語 (こいじゆかしきだいしょうものがたり)

鎌倉後期ころ成立の王朝風物語。それぞれ残欠本である金子武雄蔵本4巻と桂宮本1巻とを合わせて一つの完本に近くなるが,この両本以外には世に伝本がない。宮廷中心とした男女恋物語で,構想その他《いはでしのぶ物語》をまねたところが多い。前半は3人の貴公子の華やかな得恋物語なのに対し,後半は1人の貴公子の悲恋物語に転じ,ややまとまりを欠く。文章は流麗である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 松尾

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android