…上位のものが下位のものにほどこす恩も,下位のものがその恩に報ずる行為も,ともにけっして普遍的な道徳的義務であるのではなく,むしろ借金とその返済という関係に還元することができると考えた。しかもそこにみられる恩返し(借金返し)の義務は無限の義務と感じられており,そこに日本人に固有の支配と服従の諸関係が胚胎するのだという。これは要するに〈恩〉と〈恩返し〉の行為には,もともと経済関係的側面と心理関係的側面が重層していたということなのである。…
※「恩返し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...