日本大百科全書(ニッポニカ) 「恵琳」の意味・わかりやすい解説
恵琳
えりん
(1715―1789)
浄土真宗大谷派第4代講師。伊勢(いせ)国安濃(あのう)郡河内(こうち)村(三重県津市芸濃(げいのう)町)の願了寺に生まれ、早くから京に上って学を修め、のちに大谷派第3代講師恵然(えねん)(1693―1764)に師事して宗学のみならず、華厳(けごん)、天台などの学を受けた。1743年(寛保3)5月、29歳で嗣講に任じられ、それが空前のことであったことからも勉学のほどが知られる。40歳のとき、師を助けて学寮を拡張、51歳で講師を継ぎ、以来25年間、学徒の養成に努めた。生涯、夏安居(げあんご)に講ずること20余回、著書も50部を数える。世に恵空(えくう)(1643―1691)、恵然と並べて三代講師と称する。謚(おくりな)は理綱院。
[石田瑞麿 2017年5月19日]